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龍盤七朝 ケルベロス 壱

龍盤七朝 ケルベロス 壱 (メディアワークス文庫 ふ 1-1)龍盤七朝 ケルベロス 壱 (メディアワークス文庫 ふ 1-1)
(2009/12/16)
古橋 秀之

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○粗筋
龍盤七国が覇王・螺?(ラガン)の侵略に脅かされていた時代。
金票使いの廉把(レンパ)は一躍出世を狙って覇王に挑むも、力の差を思い知らされ全てを失うことになる。
それから数年、廉把は鐘突き・浪无(ロウム)と共にその日暮らしをしていたが、ある日亡国の皇姫を名乗る小娘・蘭珈(ランカ)と出会ったことで再び運命が動き出す。
後に三首四眼五臂六脚の怪物と恐れられる三人の、始まりの物語。
古橋秀之・秋山瑞人のシェアワールド企画「龍盤七朝」シリーズの新作。


○感想
ライトノベル作家の中から割と堅めの人達を選りぬいて創設された新レーベル、メディアワークス文庫。
「ラノベの表紙に美少女を欠くことなかれ」という法律に背き、表紙も堅めにしてある。

ウソ中国を舞台にした武侠物。
と言うだけでは曖昧すぎる。

なので、これからハッタリくさいこと書くよ。

これは、「どうやったら核兵器に勝てるか」って話である。
別に、冷戦が大国が核抑止がっていうような小難しい話ではない。
「この世で最も強い力っていったら核だよね、どうやったら人間が勝てるかな」っていう荒唐無稽な話を、大真面目にやってるトンデモ話なのだ。

だって、どう見ても敵役の螺?は核兵器みたいなもの。
ちょっとした動きの余波で人が死ぬ、迂闊に近づいただけでも死ぬ、目を合わせただけでも死ぬ。
血と臓物をぶちまけたり、熱病に浮かされたり、やたらと凄惨な死に方をする。
覇王は湯あみの際、外壁たる鎧を外し、燃料棒たる鏨を全身に刺したまま、熱いに浸かる。まさに原子炉(こんな、御色気の御の字も無い恐ろしい入浴シーンって…)。
覇王が擲つ大鉄槍がもたらす屍の数たるや、もはや述べるに及ばず。

「螺?は人間ではない」、堂々と開き直って作中にそう書かれている。
とにかくアホみたいに強い。
主人公たちも超人的な力を持ってはいるが、今のままではとても敵いそうには見えない。

シェアワールドのもう一方、秋山瑞人の『DRAGONBUSTER』とはかなり様相が異なる。
あっちは特殊部隊に伝わる秘剣を巡り、天才と凡才の違いを描きだすという話だ。
こっちは天才と凡才の闘いではなく、天才と化物の闘い。
文体としても擬音を多めに用い(とはいえ、時代がかった語り口を崩さないバランスを保っている)、全体を通して、派手なバトル小説になっている。

勿論、武術の理論や中華風架空世界の風俗、主人公たちキャラクターの魅力はDB同様、存分に描写されている。

気と龍脈の練成によって振われる、発勁の術。
雑多な匂いで賑わう市場と、そこで働く人々、ガラの悪い飲み友達。
口も八丁手も八丁、それでも過去の負い目から解放されていない廉把。
通常の人とは異なる世界を見ているとしか思えない不思議な大男、浪无。
小便垂れの野性児の如く見えて、内に秘めるものは途方もなく重苦しい蘭珈。

「武」の部分の白熱具合は言うに及ばず。
「武」以外の部分を見ても、紙の造花を介して語られる一連のエピソードなど見事だと思う。

やはり気になるのは、いかにして覇王に勝つのだろうか?ということ。
そして、いかにして“ケルベロス”となるのだろうかということ。
まだ戦いは始まったばかり。
続きが気になるものだ。
そして、シェアワールド企画のもう一方の続きも(ry


↑…なんか文体がどうしても時代がかっちゃった。これは、『燃えよドラゴン』の観客が総じて肩をいからせて劇場から出てきたというのと同様の現象であろう。


○おまけ
ついでに、折紙うp。
小説に合わせてケルベロスを折ってみた。

画像 004
神谷哲史「ケルベロス」

いろんな部分でアレンジと言う名の手抜きを施しております…。
だから神谷作品を15cm四方紙で折るなって言われただろーがボケがーッ!
○追記
そうだ。
DRAGONBUSTERは特殊部隊の話、ケルベロスは核の話。
こう考えれば、意外や意外、実は俺の好みド真ん中なのかもしれぬ。

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No title

溶岩に落としても極寒の地で氷漬けにしても難無く復活しそうだもんな、もはや人間版ゴジラ。単体で世界征服できそうなものなのだが、国家のトップという枠に収まっていることが不思議。
通常なら続刊でその強さの謎や生い立ちが語られるのだろうけど、ここまで強いと「仕様です」で押し切られそう。
覇王、轟として嗤い

Re: No title

>wadさん
やはり持続力がそれほど高くないのではないかと思います。
生い立ちは…語られるのでしょうか。あくまで「核」と考えれば科学者(風水学者?)による失敗生物兵器だとか。「原子力発電所を作ろうと思ったら核ミサイルになっちゃった」みたいな。

海が、

>持続力
核を撃った後は途端に大人しくなったもんな。しかし、せいぜい射程100mの武器片手に「核を避け切ればこちらに勝機あり!」とかだと、もうギャグにしか聞こえん。

核を撃つ前にメルトダウンを狙うとか、どっかに核を撃ち込ませておいて、再充電前を狙うとかかね。

>風水学者
秘孔点きまくればああ成るのかも、つまり番太朗最終形態。

Re: タイトルなし

>wadさん
極められた発剄術(×3人寄れば地獄の番犬)が耐核ボムブラストスーツともいうべき防御力を発揮するのですよ。
狙撃最強。

うわらば

話を見た感じ「Ⅸ(ノウェム)」っていう古橋さんの打ち切り京劇小説っぽいみたいね。
こっちは打ち切りになったけど内容は面白いので、そういうのが好きなら読んでみるのも一興かもしれません。

Re: タイトルなし

> genさん
なるほど、そっちも発剄術がどうのという話のようですね。
京劇と言えば、「DRAGON BUSTER」の劇中劇「六牙の鈴」を古橋さんが書いたものが電撃HPに載っていたと言うので、そっちも読みたいもの。

古橋・秋山の歩んで来た方向から考えて、この企画はやっぱりギブスンとスターリングの共作を意識していると思うのだけども…ちゃんと続くか心配でならぬ…。
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