ゆーじくんかわいいよゆーじくん
「ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害」という、他者からの好意に対して攻撃で返してしまう先天的精神病を負ったツンデレ美少女百舌谷さんが巻き起こすドタバタを、執拗で濃密な心理描写とともに描く、ラブコメ(に分類していいのか)。
アフタヌーン連載中。
第二巻は夏休みの章。
前巻に比べハイテンション。
下僕のドM少年・樺島くんを(あくまで善意で)痛めつけたり、ある目論見をもって樺島君の弟ゆーじくんに接触をはかる百舌谷さんの破天荒ぶりが炸裂する。
ハートマン軍曹ばりのしごきをかける百舌谷さんと、それに七転八倒する樺島君の姿は、何故だかよくわからないけども実にさわやかだ。
バックに流れる井上陽水の「少年時代」のせいだけではあるまい。
謎の黒髪ロングのお嬢様風美少女・早川贄子としてスニーキングミッションを繰り広げる場面では、病弱美少年やら腐女子看護婦やら、これまた妙な人物も新登場。
屈指の名シーンは、やはり樺島くんがドMカミングアウトをするところだろう。
「YOU,カミングアウトしちゃいなYO」
ラストの流れからすると、次巻は少しシリアス展開か。
基本的にコメディの中でシリアスをやろうとすると流れが澱むものだが(逆はおk、いいスパイスになる)、この漫画に関してはコメディながらも(いい意味で)もとから陰湿なので、そんな心配はないだろう。
そう言えば、前巻発売時に落丁だのカバーの紙質が違うだのでちょっとした回収騒ぎがあった。
自分の持っている初版第一巻は落丁はないものの、たしかにカバー質は二巻とは違う。
わかりやすいところではデスノートの単行本みたいな、マット地の紙。
作者によれば、この紙質は発色が良くないそうで。
ここは一巻の重版バージョンを愛読用として信者買いすべきところか。