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龍盤七朝 DRAGONBUSTER 01

龍盤七朝 DRAGONBUSTER〈01〉 (電撃文庫)龍盤七朝 DRAGONBUSTER〈01〉 (電撃文庫)
(2008/05/10)
秋山 瑞人

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古代中国をモデルにした「龍盤世界」を舞台として、秋山瑞人、古橋秀之の両作家が武侠小説を発表するシェアワールド企画の第一弾。
卯王朝第十八皇女である月華は、お忍びの最中に迷って辿りついた河原にて、”龍”と運命の邂逅を果たす。それは双剣を操り舞う、被差別民の青年・涼孤だった。

まさに匂い立つ(※)ような生活感の描写。「猫の地球儀」でも見られたような、市場の雑踏の、華やかだったり薄暗かったりする、賑わいの様子が”生々しく”伝わってくる。
武侠小説として欠かせない、剣技体系や歴史背景に関する設定もボリュームたっぷり。
放伐王朝である卯国が、表面上は禅譲王朝のように振舞うために出来た風習の話など、歴史好きとして興味を引いた。
武侠モノといいつつもバトルシーンはほぼ冒頭のみだったりするのだが、それら世界観描写だけで十分に楽しめたくらいの出来だから、次巻への期待はそそるものの物足りなさを感じることはない。

キャラクターも魅力的。イラストも中華風の雰囲気がよく出ている。
中でも世間知らず皇女・月華の無邪気さには癒されるのだが、今後の運命が不安である……秋山小説的に考えて。
ジジイ好き(左のバナーを見れば明らか)の自分としては、群狗さんに注目していきたい。
そして、主人公の涼孤。卑屈気味な性格ではあるが、そうなってしまった背景が丁寧に描かれているので嫌悪感は無い。特にp104の最初の三行、己が被差別民であることを思い知る場面は鮮烈だった。

あとがきによると、DRAGONBUSTERは二巻で完結するらしい。
主人公らの剣技の行方以外にも、旧特務機関の暗躍とか色々伏線があるので、本当に次で纏まるのか?という気もする。
でも猫の地球儀にしろイリヤにしろ、前半部ではそれほど話が動かない小説……言わばスロースターターだからこそ、後半の展開がしっかり締められていたし、多分大丈夫だろう。
そんなことよりも心配事がある。

で、その心配事ってのは何か。
秋山ファン諸兄にはもうわかってるだろうが、「続編マダー?」ということだ。
続編で終わるのか?って心配など、心配のうちに入らず。そもそも続編出るのか?という大問題を忘れることなかれ。
「EGコンバット」最終巻にしろ「ミナミノミナミノ」二巻にしろ、書きおろし一本さえ上がれば早川JAで出るだろう短編集(「おれはミサイル」を収録するもの)にしろ、全然出版される気配がない。
2chの秋山スレ住民なんてその状態を常のものと心得て、悟りの境地らしきものに至ってしまっているほど……。
このシェアワールド企画にしても、発案から3年近くがたっている今、執筆されたのがDB一巻収録分のみ。
そして、さらに困ったことに、古橋サイドからの龍盤作品も作中劇「一指力剛」をもとにした短編くらいらしい。
お願いですから、続き出してください。楽しみにしているので。
そんな想いを込めて、ブラックマンタの舞う空に叫ぼう。
「DB02マダー?」と。

※匂い立つ、と言えば少々、いや少々どころではないが、尾籠な描写も目立つ。「イリヤ」なんかでもそういうのはあったが、下品なのが嫌いな人は嫌いかも知れない。
でも、そういう描写があったからこそ冒頭は印象に残るバトルシーンになったと言える。

追記
忘れちゃいけない、「一指力剛」や「六牙の鈴」といった、比喩的に用いられる作中劇がツボだった。
昔話やおとぎ話が基本的に好きなもので。
そういや、「一指力剛」の芝居の突然の幕切れに悔しがる月華の様子は、なにかの暗喩でしょうか。
続編がデストロイしないと信じているわたくしには、よくわかりません。

「はれるでしょう」

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