スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

MGS4発売一周年

そう言えばメタルギアソリッド4ガンズオブザパトリオットの発売から一周年である。
去年の今頃はと言うと、戦場をこそこそと進むジジイスネークのかっこよさにうち震え、興奮のままに一周目をクリアしていた。
その後も何度もクリアし、敵兵で遊んだり、火縄銃ぶっぱなしたり、ビッグボスの称号を取ったり、色々とやって、随分ハマったものだった。

だが、何度もプレイしていると欠点も見えてくる。
いや、正確に言うと、一周目の時点から気になってはいたのだけど。

MGS4はファミ通クロスレビューで40点を取った。しかし、3(38点だっけ?)を越えているとは自分には思えない。
というわけで、今回は敢えて(次回作への期待も込めて)MGS4の良くなかった点について触れてみよう。

批判としては「ムービーが長い」というのが最も多く聞かれる。
あまり長くなってもアレなので、今回はこの件についてだけ触れようと思う。

「長い」、というよりは「退屈な部分が多い」と言った方が正確だということは明らかだろう。
たしかに、長いには長い。だが、単純に時間だけに注目すれば、シリーズを重ねるごとにデモが長くなっていくのが伝統と言えば伝統。
しかし3が出たとき、2に比べてデモが「長い」とは感じなかった。退屈さが無かった。
対して、4は2で感じたのと似たような「長さ」を持っていた。退屈さが増した。
それはなぜか?
3はアクションシーンを多めにしてあるから。
たしかにそれも理由の一つだ。だが、ここは会話シーンの作り方に注目したい。
大きくは3つの問題点に分ける。

1、2と4に共通する、会話デモの問題点
MGSシリーズのストーリーは、SFの体裁を取っている。
タイトルでもある核搭載二足歩行戦車メタルギアは勿論、ナノマシン、強化骨格、高度人工知能、クローン、個人認証、仮想現実などなど、さまざまなテクノロジーが世界観を彩っている。

SF設定。今はまだ実現していない技術の想像図。
コレが入ってくると、見知らぬ未来を垣間見ているようでワクワクしてくるものだ。ただし、そのワクワク感と引き換えに、物語からリアリティが損なわれてしまうこともままある。

そこで、リアリティをある程度保つために必要なものが、科学考証だ。
科学考証があることで、作品世界のテクノロジーと現代のテクノロジーとの繋がりが鮮明になり、設定に説得力が加わる。

自分は、厳密な科学考証(それこそSFファンの間で議論が交わされるような)をMGSに求めているわけではない。ぶっちゃけた話、科学考証がされている「っぽい」匂いがすれば十分だ。
例えば、MGS1のFOXDIEに関する種明かしでは、そんな「っぽい」を感じた。
というわけでそこの箇所を引用。MGS1のネタバレ注意。

ナオミ「FOXDIEは特定人物だけを死に至らしめるレトロウィルスよ。まずFOXDIEは体内のマクロファージに感染する。FOXDIEにはタンパク質工学で生み出された認識酵素、特定の遺伝子配列に反応するようプログラムされた酵素が導入されているの。」
スネーク「その酵素で暗殺ターゲットのDNAを認識している?」
ナオミ「認識酵素が反応して活性を示すとFOXDIEはマクロファージの組織を使って、TNFεを作り始める。」
スネーク「何?」
ナオミ「サイトカインの一種で細胞死を誘発するペプチドよ。TNFεは血流に乗って心臓に達し、心筋細胞のTNFレセプターに結合する。」
スネーク「それで、心臓発作を?」
ナオミ「刺激を受けた心筋細胞は急激なアポトーシスを起こすわ。そして、その人物は…。
死ぬ。」


この「っぽさ」の源は何か。たっぷりと用いられた専門用語?勿論それもある。
だが、ある技術について「どんな仕組みなのか」を詳しく語っている点が、まず大きいだろう。

2や4では、ナノマシン技術が物語の重要な役割を占めている。
情報、人体、兵器の管理運用など、「どんな用途目的で使われているか」については、こと細かに語られる。
その割に、「どんな仕組みで動いているのか」を語る部分は妙に少ない。
おかげでナノマシンは、「仕組みはよくわからないけど何でもできる」というような、実によろしくないガジェットになってしまった。

4では、ナノマシンの効用について、メリル、ドレビン、ナオミとキャラクターを変えて何度も説明されるため、かなり退屈さを感じた。”効用”だけでなく”仕組み”が語られてさえいれば、会話ムービーへの印象は大きく変わったと思われる。

または、2のように、ある程度の設定話は無線会話で語ってしまってよかったのではないか。
無線会話ならばテキストのみを送ることで、プレイヤー各自のペースで読むことも可能だ。

「ポリスノーツ」などを見てもわかるとおり、SFガジェットの効用と仕組みをバランス良く語りストーリーに説得力を与える手腕を、小島監督は持っている。
4でナノマシン設定の説得力が甘かったのは、
・ナノマシンは1、2時代に既に完成していた技術であること(※1)。
・60年代を描いた3ではナノマシン等のSF設定が存在しなかったこと(※2)。
・そして4は伏線回収に追われたこと(※3)。
などの要因のためではないかと思われる。
次回作では、ガジェットの効用だけでなく仕組みについても説明を加え、なおかつ退屈さを感じさせない、そんなバランスを取り戻してほしいと思う。

※1…「ナノマシンがどのような技術に立脚しているかは既に説明済み」と思ったのかもしれない。しかし1や2に比べ、4でのナノマシンの役割は大きい。戦場と兵士を管理するナノマシンの網・SOPシステムが物語の最大の鍵なのだから。
すでに情報の網が敷かれた場の情報統制に成功したのが2時代の技術ならば、「戦場の霧」とも呼ばれる混沌の場での情報管理に成功したのが4の時代の技術。
この間に、ナノマシン技術の大きな発展があったのは明らか。ならば改めて、「4時点でのナノマシンの仕組み」を説明するべきだっただろう。
※2…過去を描いた作品である3の感覚のまま、未来を描く作品である4の設定を組んだのではないか、などと思ってしまう。
※3…ともあれ、1、2、3でぶん投げ気味だった謎を回収することが、4のストーリーに課せられた最後の任務だった。2なんかはぶん投げたこと自体に意味があるのだけど、それは置いといて。
謎を解決するため、ナノマシンは良くも悪くも便利な道具として使われた。この便利道具の背景が、上で挙げたFOXDIEのように科学ネタで裏打ちされてれば…と思うわけだ。


2、ほぼ4のみに見られる、会話デモの問題点
3も4も結構泣かせてくれるシーンは多い。特に、傷ついても、老いても戦い続ける主人公スネークの強さが伝わってくるような場面はいいセンスだ。
だが4に関しては、スネーク以外のキャラを描いた場面に泣かせを入れすぎかな、と感じた。
良くわからない行動(胸毛サワサワとか)が散見されたナオミは勿論のこと、オタコンや雷電についても、もう少し乾いていてもいいのではないかと。
いや、「俺を一人にしないでくれ…」とか好きだし、物語のテーマが「sense」だから「泣き」も必要だけどね。ただ、彼らが個人の事情に依って泣くことで、スネークの悲壮な姿を描くという主軸から視点がブレてしまうことも確かなこと。
伊藤計劃による小説版では、スネークを見つめるオタコンの一人称の形態をとって語ることで、あくまでスネークが中心である構図が全く崩れていなかった。
佐藤哲也が伊藤計劃の追悼文で「(伊藤氏の小説版では)ゲームの愚劣な部分をそぎ落として」と書いていたのは、まさにこのことではないだろうか。

ゲームの映像技術が上がって感情表現(※4)の可能性に幅が出れば、それを試そうとするのは当然だ。小島監督自身は映画観ては泣き、小説読んでは泣き、プロット考え付いては泣き、ってタイプの人だから、なおさらのこと。
しかし、あまり「泣き」でストーリーを評価しない自分は、もう少し抑えてもいいのでは?と言いたい。

※4…ゲーム内での「感情システム」(兵士の状態や戦場の情勢によってNPCの喜・怒・哀・叫の感情が切り替わり、行動パターンが変わる)についても、練りこみ不足ではないかと感じた。
敢えてちょっとバカなAIにしてあるMGSだが、せっかく感情なんてバリエーションを取り入れたのだからもっと生かしてほしかったなぁ。

3、加えて、構成の問題
5章構成、章の始まりと終わりにデモってのはあまり良くなかったかな。
章の始まりの方のムービー(ミッションブリーフィング)は、説明ばっかりなので特に退屈。前の章の緊張感を持続したままに鑑賞することは難しい。

それと、章を進めるごとにゲームボリュームが少なくなっていく傾向(※5)にあるので、これまた「どんどんムービーパートが増える」と思わせる原因である。

※5…話題を集めた「戦場への潜入」は1、2章のみ。これがちと残念。4章は往年のファンホイホイな素晴らしいステージだからおkだが、3章は東欧らしい(失礼)市街戦がやりたかったし、5章は敵味方が近距離でぶつかり合う突入戦がやりたかった。


さて、ここまで敢えて批判に徹したが、誤解の無いように言っておくと、MGSのムービーシーンの演出自体は非常に上手い。スタッフの経験的にも、技術的にも、実にいいセンス。
だから4も良いシーンが多いし、これからにも期待できる。
CoDのように、すべてのデモをプレイアブルにするとそれはそれでMGSらしい味が失われる。
しかし、4の調子で作るとバランスが悪くなる。
「ライジング」や「ピースウォーカー」ではどのように工夫されたデモが送り出されてくるか、注目していきたいと思う。
批判に徹したし、結構長くなったし、割と書いていて疲れてしまった。

昔は「MGS批判した奴は殺す」とか言い出しかねないアレな狂信者だったが、こういうこと書けるようになったし、だいぶ落ち着いたなぁと思う。
…てなことを知人に言ったら「より洗練された信者になったってことだよ!」と返されたがw

ところで、MGSを揶揄する文句として「小島の説教ゲー」というのがある。
監督自身もこのことには開き直っていて、新作発表のたびに「小島の説教ゲーはもういらんとか言われるんですけど(笑)」などと自虐ネタをかましている。
PSPの次回作であり、実質的な「5」である「ピースウォーカー」についても、「説教ゲーにします」などと堂々言い放っている。
MGS1での核が冷戦が遺伝子がどうのって説教に惹かれたクチなので、似たようなテーマを扱うだろう「ピースウォーカー」には期待していきたい。

ここで、この日記本文を読んだ+MGS4プレイした人間に聞きたいのだけれど、MGS4って実は説教成分は少なめだよね?
ムービーの長さの原因を占めるほどにはなってない。もっとも、「sense」がテーマである以上、本文2で挙げたような過剰気味な感情表現を全て説教の一種と受け取ることもできるのだけれど。

コメントの投稿

非公開コメント

No title

>>MGS4って実は説教成分は少なめだよね?

確かに、1,2,3と連続でやった後に4をやると何か物足りなさを感じます

Re: No title

> カラカラ草さん
主人公でもあり説教役の一人でもあるスネークが、今までのように語るかわりに苦しみますからね。
その苦しむ姿もまた“説教”ではあるんですが、やっぱりMGSについては言葉の形でももっと見せてほしかったな、と思います

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: ちょっとイラッときました

> カラカラ草さん
「ビッグボスフェイスを見た敵兵は恐怖状態に陥る」と聞いて、「なるほど伝説の傭兵の威容に恐れをなすということか・・・」と思ってたのに、まさかああいうこととは・・・わかってねぇ、わかってねぇよ製作陣

No title

あれだけは許しません
あまりに頭にきたので3とPWをやりました
オプス欲しいです。

でもまぁソリダスもソリダスで可哀想ですよね
なんだかんだて一番(現代の一般民衆の我々にとっても)切実な思想があった人物なのに、あの扱い…

オプス懐かしいですな。

No title

オプス買ったぞオオオオオオ!!
これでメタルギアサーガはコンプリートですよ
いつの間にか3のキャラクターが味方になりまくって笑えますねw
アナゴさんも味方になるんでしょうか?

Re: No title

> カラカラ草さん
返事遅れてしまいました。
なんか今見るとオプスは妙にオールスターゲーム感があります。
若本さんも仲間になりますよ。投げナイフは対メタルギア兵器ですw

No title

>>オプス
パラ子たんげとこれでパラ子で遊べますね

あのアナゴさんが仲間に?色々試して見ましょう

>>投げナイフは対メタルギア兵器です
なんだか聞くところにはメタルギアに大ダメージを与えるとか
マスターにバグを疑わないように教えられましたがこれは…

>カラカラ草さん
MPOパラ子は服装がラフで逆にエロい(中学生用語)ですよね。
アナゴさん仲間にする条件はかなりめんどいですよ…それとMGS3組の何人かも。
ヒントもなきに等しいので、自分は攻略情報なしではフラグ立てられたとは思えません…。無理をなさらず。

バグか?などと思わずらりるれろ

さらばMGO

楽しい仲間を増やすのは楽しいですから頑張ります
イベントも面白いですしね

あとMGOが終わるとか
最近やっとブロードバンド環境整えられたのに…クッソ

>カラカラ草さん
MGOって4の方ですか。いや3のはもう終わってたか。
まぁなんだかんだでもうそろそろ四年ですもんな。
自分はプレイしてなかったんですが。

No title

私もMGOは最近やり始めたんですがこれがなかなか面白い

ところでライジングはどうなるんでしょう?

Re: No title

返信ものすっごい遅れましたが一応。
ライジング、ZOEHDについてた体験版はやりました。
やはり4を経たジャックにこれをやらせていいのか、という疑問は残りますが、アクションゲームとしての面白さを追求する会社だけのことはあると思いました。

No title

私はもうサイボーグ忍者のコスで出来るってだけで脳汁モノですよ

GZも控えていますし…貯金せんといけませんな
アクセスカウンター
twitter
プロフィール

Solidrb

Author:Solidrb
自他ともに認めるMGS(メタルギアソリッド)フリークス。
その証拠に、当初はもっと幅広く話題を扱おうかと考えていた(←大嘘)このサイトも、ずるずるとMGSネタオンリーブログになりかけてきている。

SFを中心に、様々な作品に触れようと目論んでいる。
が、生来のヘタレゆえ、なかなか数がこなせない。

twitterや読書メーターもやっているので、そちらにも是非いらしてください。

○注意書き
・コメント、拍手
常に餓えておりますので、古い記事にもぜひ気軽にどうぞ。名前欄はテキトーでもおkです。
(今後どうなるかはわかりませんが)全レス主義で臨みます。
コメントは承認制を採っていますが、スパム以外は基本的に消さない方針です。

・トラックバック
コメント同様、承認制ではありますがお気軽にどうぞ。
ただし、記事内容と関連性の無い宣伝トラックバック(※どう見てもツールでキーワード検索かけて貼っただけの、商業的性格が強いものなど)については削除することにしました。

・リンク
ご自由にどうぞ。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
読書メーター
TCrbの最近読んだ本
応援中
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。