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ポリスノーツ

「ポリスノーツ」感想
副題・「作りこみの方向性について」

公式サイト。columnの項に、伊藤計劃氏による解説も。

ポリスノーツ PS one Booksポリスノーツ PS one Books
(2003/08/07)
PlayStation

商品詳細を見る


メタルギアソリッドシリーズで有名なゲームデザイナー・小島秀夫監督が制作した、SFハードボイルドアドベンチャーゲーム。
PSネットワークからダウンロード(600円)してPSPに落としてプレイ。
プレイ時間は10~12時間ほど。

・あらすじ
2010年、人類はスペースコロニー「BEYOND COAST」を完成させた。
宇宙移民の増大に伴う治安維持の問題に対処するため、世界各国から優秀な警察官5人が選抜され宇宙飛行士としての訓練を受けた。
アメリカ・ロス市警からジョナサン・イングラムとエド・ブラウン。
日本・警視庁からジョゼフ・サダオキ・トクガワ。
イギリス・スコットランドヤードからゲイツ・ベッカー。
アメリカ・ニューヨーク市警からサルバトーレ・トスカニーニ。
彼らはPOLICEとASTRONAUTSのハイブリッド、POLICENAUTSと呼ばれた。
ある日、訓練中の事故によりジョナサン・イングラムは宇宙空間を漂流することに。
コールドスリープにより辛うじて生き延びていた彼が奇跡的に救助されたとき、事故から25年が経っていた。
知人からも時代からも置いて行かれた彼は、3年間のリハビリの後、宇宙時代の到来により衰退した地球に戻り、ロサンゼルスのスラム街にて交渉人まがいの私立探偵を開業し、細々と暮らし始めた。
そんな中、ジョナサンの事務所にBEYONDからの依頼人がやってくる。事故直前に離婚した元妻のロレイン・北条だった。
ロレインの「行方不明になった再婚相手を探してほしい」という、何とも気が進まない依頼を前にして、戸惑うジョナサン。ひとまず返事を保留してロレインには引き取ってもらったが、直後に彼女は車の爆発に巻き込まれる。
北条の失踪、ロレインの死。事件の真相を追ってジョナサンは、再びビヨンド・コーストへと向かう。

・感想
独り暮らしを始めたことで、意気揚々とエロゲを始めたものの、2・3本で早くも飽きがきていたんですよ。
どうも、どーでもいい日常パートのテキストを送るのがダルいもので。
いや、べ、別に、とっととヤラせろなんてお下品なこと考えてるわけじゃないんだからねっ!

そんな中で、コレ。凄く良かった。

コマンド選択タイプのアドベンチャーということで、基本的にはテキストを読むことでゲームを進行させるのだけれど、折にふれてゲームらしくプレイヤーに操作を要求するイベントも挟まれる。
多くは、射撃イベント。物陰に隠れて撃ってくる敵に素早く反応しトリガーを引く。殆どは普通にクリアできるが、結構シビアな局面もあった(ロックオン出来ることに最終面でやっと気づいたもので…)。
そして、最難関である爆弾解除イベント。液体窒素スプレー吹きつけて終わり、ではない。各種センサーやコードの解除、細かい作業を何手間も踏まなければならない。一応救済措置もあるが、それでもなかなか苦労させられた。

そういったゲーム部分も含めて、小島作品らしく映画的な演出がふんだんに使われているため、飽きずに攻略することができる。
時折挿入されるアニメーションも、絵は今見るとさすがに古臭さを感じる部分もあるものの、カメラワークやカット割りの上手さはさすが。
このトレイラーを見ればそのことがよくわかると思う。バイク乗りてぇ。

「細かい部分も作りこむ」という小島組の基本姿勢は、いつも変わっていない。
ただし、作りこむ方向性が変わってきている。
おおざっぱに言ってしまうと、世界観からキャラ毎のドラマへと。

まず最新作、つまりMGS4。
MGS4ではキャラ毎のドラマ。
散りゆく主人公スネークだけでなく、彼の道程に居た人々のそれぞれにまつわるドラマも描かれた。
しかし、そのことは必ずしも良い結果を残さなかった。
MGS4は「ムービーが長い」と叩かれるが、これは欠点の表面のみを捉えた批判だ。
長く感じる理由の一つとして、キャラ毎のドラマに尺を割き過ぎ、というのがある。
つまりはこの記事の項目2の補足となるわけだが、MGS4はどうもスネークの物語を描くのみに徹しきれていない。その他のキャラの物語も描こうとするあまり、散りゆく主人公へ向けられるべき視点がぶれがちになってしまっている。
この点については監督自身も自覚している(ヒデチャンラジオ参照)ようなので、MGSピースウォーカー以降は改善されることを願う。

さかのぼって、ポリスノーツでは世界観。
画面のあちこちを調べると、宇宙や医療に関して、隙の無い設定の数々が飛び出してくる。
その細かさには、眼を見張るばかり…MGSでナノマシンを万能化させてしまったような粗さとは対照的と言わざるをえない。
このへんは、是非プレイしてその作りこみを確かめてもらいたい。

そもそも、スペースコロニー→宇宙線に晒される世界→大量被曝社会→高度医療社会、という連想からして実に上手い(このへんのことは僕が私淑する故・伊藤計劃氏がコラムに書いている)。
麻薬や違法臓器売買を物語の主軸に置いている。
こういう話は、現代の刑事ものでも多く見られる。
局所的な需要に、犯罪組織が、利権重視で対応する、という構造で。
だが、宇宙時代となるとその構造が少し変わってくる、というのがポリスノーツの世界観の面白いところだ。

こうして書くと、ポリスノーツは「ドラマより世界観」なゲームだ、と言っているように見えてしまうが、ドラマも勿論良い。
キャラクター描写に、MGS4のような視点のぶれを感じさせない。

まず、主人公ジョナサンと相棒エド。
二人のキャラクターがまんまリーサルウェポンなのは有名だが、置かれている背景は当然異なる。
二人ともかつての英雄ではあるが、ジョナサンは宇宙恐怖症にかかってしまった不良探偵、エドは世渡りに不慣れなため窓際に追いやられた定年間際の刑事。そして、二人の間には、25年の空白が横たわっている。その空白には埋められるものも埋めらないものある。
だがそれでも、熱い絆はやっぱり変わらない。おとこのこっていいなあ。

悪役も良い。
例えば、トクガワ。
ポリスノーツを引退後は世襲の大企業を引き継ぎ、それをさらに巨大化させ、実質的にビヨンドを牛耳っている大物。
ジョナサンやエドとは比べ物にならない成功者ではあるが、それだけに黒い噂も付きまとう。
日系人しか信用しない人種差別主義者、という設定は新鮮だと思う。
ガンダムなどと同様、ポリスノーツ世界は国家の概念が薄れた時代に至っている。これは、宇宙に共同の住処を築く以上は必然なのだろう(異論もあるだろうけど)。
ということは相対的に企業の力が強くなるわけで、そういう時代にもし日系企業が圧倒的な力と金を握ったら、トクガワのような珍しいタイプのレイシストが表に出てくるのかもなぁ、と考えた。
ジョナサンは白人。エドは黒人。トクガワは、白人と黒人がが無二の親友として描かれる物語における敵役像の、ひとつの回答かもしれない。

・まとめ
将来宇宙に行きたいか、それとも行きたくないか。
人によって答えの分かれる問いだと思う。
自分はと言えば、「微妙なところだなぁ」と、いかにも日本人らしい曖昧な回答をせざるを得ない。
だがこういうどっちつかずな答えをするということは、逆に言えば、結構興味津津ってことでもある。
要するに、どっちかと言えば、行ってみたい。でも、怖さも大きい…ということ。
今のところは、現実的に宇宙時代を見据える視座を養いたいところ。
そんなわけで、「プラネテス」のような、近未来の宇宙開発の希望と危険を現実的に描いた話が好きな人には「ポリスノーツ」もオススメだ。
(追記1)
トクガワを始めとする敵役。悪役。
社会システムがしっかり描かれているからこそ映えるという点でも、素晴らしい悪玉だと思う。
しかし、そんな「システムあってこその悪役」を描いた小島監督が、システム何ソレなノリの「シャングリ・ラ」をベタ褒めしてるのはどういうこっちゃ。
まぁ本文中にも書いた作家性の変化ゆえかもしれないが、それ以上に、MGSネイキッド(ムック本)の製作から始まった、ニュータイプ誌との付き合いが影響してるのだろう。どうも、癒着の域に入ってきている悪寒が…。言い過ぎだろうか。

(追記2)
乳揺れイベントが無駄に多いことでも知られる、この作品。
もちろん、乳揺れ監修担当者は女性である。サイテー!
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
 ⊂彡
あ、メリル(MGSのメリルとはスターシステム的な関係)の乳揺らすの忘れてた…射撃トレーニングで高得点はじき出さないと触らせてもらえないんですよこれが。

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SFを中心に、様々な作品に触れようと目論んでいる。
が、生来のヘタレゆえ、なかなか数がこなせない。

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